テレビに求める「恋愛」とは?
My Love(初回生産限定盤)[CD+DVD] 〜川嶋あい ひょっとして、一部の視聴者から「『あいのり』スタッフって、別にすることないんじゃないの?」と思われたのかもしれませんが(笑)、2007年5月には特別編として『メイキング オブ あいのり』をオンエア。冒頭で『あいのり』が見せるリアルさには、ある程度の制限があることを述べましたが、それ以上に踏み込んだリアルな恋愛ドラマの誕生も望まれるところ。そこに映し出されるものは、決して恋愛の美しさや楽しさだけじゃありません。ただこちらは、恋愛模様を描くことよりも魅力あるキャラクターを描くことに力が注がれ、ドラマ演出もそれを踏襲しているように見えます。川嶋あいは過去に二度主題歌を担当。こうした影響は、類似番組を生み出すという直接的なものだけでなく「恋愛ドラマ」という意外なところにまで飛び火してきました。それによれば「告白されたら、一晩じっくり考えて答える」「カップル成立の場合は2人で日本帰国」といった表のルール以外にも「カメラが回ってない時(夜間)の2ショットはルール違反」「ニックネーム以外の呼びかけは禁止」などの決まりごとも。ちょっと寂しい現状です。
いくつもの「リアル」が積み重なった「花も実もある絵空事」の恋愛ドラマの登場を待ちたいですね。そう、この頃から「恋愛ドラマ」は難病とセットで描かれることが多くなってきました。もちろんそれは、視聴者がただ美しい恋愛よりも、多少ドロドロしていてもリアルさの方を求めているからです。こういったルールは、参加者の「リアルな言動」をカメラ収めるためのものでしょう。それが実話であれば、より注目度が高まるという傾向が顕著も。一方の「恋愛ドラマ」ですが、10月スタートのドラマ枠を見渡しても、恋愛ドラマと呼べるのは『歌姫』(TBS系)くらい(『ハタチの恋人』(TBS系)は、たぶん恋愛まで行かないんじゃ……)。テレビに求める「恋愛」とは?コンセプトは不変の『あいのり』も、参加メンバーは常に入れ替わっていることは、冒頭で述べた通り。
恋愛の楽しさ切なさが、番組内に凝縮主題歌が変わっていくのもあいのりの特徴。恋愛ものは『あいのり』を見てれば十分と思われてるんでしょうか。(1度目はI WiSHとして担当。そのためにマンネリに陥ることなく、常に新展開が生まれることになります。ちなみに恋愛ドラマの代名詞でもあったフジの月9が『西遊記』を放映したのは、2006年の1月でした。もちろん放送される以上は、ある程度の限界はあるものの、切なさや滑稽さ、時には後味の悪さや軽い修羅場といった「現実味」が電波に乗ることとなります。ここまで来たら、アナログ放送終了の2011年くらいまでは、余裕で続くのでは。
「純愛ブーム」って何だったの?ここからはかなり私見が入ってきますが(いつものこと?)、恋愛ドラマは2001年に上映された映画『冷静と情熱のあいだ』が一つのピークだったのかもしれません。例外というか「恋愛ドラマ」最後の砦ともいえるのが、一連の少女漫画原作ものです。『あいのり』の人気が年ごとに高まっていくとともに、恋愛ドラマの人気が徐々に下火になってきているように思えてならないのです。その後、2004年には映画・テレビともにヒットした『世界の中心で愛を叫ぶ』が「純愛ブーム」を巻き起こし、日本中を席巻しましたが、これって実は「難病ブーム」だったんじゃないかと、個人的には疑っています。おそらく視聴者が求めている恋愛要素は、キレイ系でもドロドロ系でもなく、リアル系なのでは。どれだけ大勢のスタッフが奔走しながら番組を作っているのか、誰もが広く知るところとなりました。つまり、フィクションとして良く出来た恋愛ドラマへの需要が薄れてきているのではないでしょうか。